今週の音楽まとめ(2014.11.10〜11.30)

また間が空いちゃって申し訳ない!

今週聴いたアルバム

1989~デラックス・エディション(DVD付)

1989~デラックス・エディション(DVD付)

7.6
俺の嫁ことテイラー・スウィフトの新作。
恐るべきキャラ変。既に前作でその兆候はあったけど、ギターを投げ捨てて全編ポップス路線へと華麗なる転身、いや転向と言った方が正しい。カントリー色はもはやゼロ。
クラスの地味な文系カントリー少女がセレブになって自分を見下してきたジョックスやチアリーダーたちに復讐を果たしたようなアルバム。副タイトルは「スクールカースト転覆計画」(99.9%管理人の妄想)。
テイラーが学生時代にカントリーが好きなことをネタにされていじめられてた話は有名。


なんつーか、東京ポッド許可局の「ビートたけしベンチャー論」的に言えば、テイラー・スウィフトも”ベンチャー気質”がある人なんだろうなとこのアルバムを聴いて思った。
カントリーという土着的で古臭いシーンに”ブロンド美少女”としてモダンな風を吹き込めばイケるだろうという計算があったんじゃないかと。んで、まずそこで実績を作ってから、すぐにポップスへとシフトしていく変遷はお見事としか言いようがない。まず勝てる場所を見つけるのも才能の一つ。
ちなみに日本でも演歌からポップスへと転身した島谷ひとみがいるが、残念ながらテイラーほどの成功を収めるには至ってないようだ(しらじらしい)。


という訳で、立身出世っぷりは凄いんだけど、変わってしまった音楽性に戸惑ったのも事実。
いなたい雰囲気が一掃された結果、”テイラーらしさ”まで弱くなってしまった感じが否めない。全体的にオーバープロデュースでカーリー・レイ・ジェプセンが歌っててもおかしくないような量産型ポップスになってる(ただし、質は超高い)。
そう言えば、カーリーもデビュー時は地味なSSWって感じで、やはりポップスターへとキャラ変&転向してる。
ありのままで売れるほどアメリカのショービジネスは甘くない。むしろ、売れるためなら何だってやってやる!っていう人の方がエモくて僕は好き。


でも、個人的には”カントリー”という記号を残しつつ、ポップスへと歩み寄った前作ぐらいのバランスがちょうど良い。
まぁ、でもカワイイから許す。来年の東京ドーム公演にはもちろん参加する。テイラーがステージに登場した瞬間「やっと会えたね」と言いたくてしょうがない。




Sonic Highways

Sonic Highways

8.4
”全8曲”というのがちょっと驚き。
素晴らしいロックアルバムだけど、あまり語るべき点はない。もはやフーファイはレッチリとかあの辺クラスのバンドに位置すると思うので、同時代性だったり、新機軸をことさら求めるのも野暮だと思う。でも、そうなると”語りしろ”みたいのが出てこない。


このアルバムをべつにセルフパロディだと言うつもりはないけど(むしろ、新しいこともやってる)、でも基本的にはオールドスクールなロックで、それ以上でもそれ以下でもない。
というか、今の時代に”ただの素晴らしいロックアルバム”を作ったことこそが「フーファイがなぜここまでサヴァイヴできたのか」を物語っている。過去に時代性と強烈に共振したバンドにいた男が今はあらゆる呪縛から解き放たれたロックを堂々と鳴らしてる。気が付けば、”元ニルヴァーナ”なんて誰も言わなくなった。


ニルヴァーナの悲劇から始まり「それでも人生は続いていく」という意志表示であったはずのフーファイは、いつしか「まだまだ人生は続いていく」というポジティブでしかないバンドへと変換された。それをやってのけたデイヴ・グロールから僕が学んだのは、いつだってユーモアを忘れちゃダメだってこと。マジリスペクトっす。



OPPORTUNITY(初回限定盤)(DVD付)

OPPORTUNITY(初回限定盤)(DVD付)

6.8
う〜ん…。悪くはないんだけど、ちょっと最近のミイラズは停滞感が否めない。こんなもんじゃねーだろ、畠山よ。
彼らが初期アクモン直系(というかパクり)の音楽性で登場したことは説明不要だと思うけど、その後2011年に「言いたいことはなくなった 」でラブソングを中心とした普遍的なポップソングと大胆に変化した。でも、それが上手くいかなかったことで(バンドとしてのアイデンティティを喪失してしまった)、それ以降ずっと引きずってる感じがする。


その後は再び初期アクモン的な音楽性に戻しながら、その枠内で様々な音楽性を取り込もうとしてるのは分かるんだけど、窮屈な感じは否めない。本作も然り。
そもそも本家のアクモンがアルバムごとに音楽性を大胆に変化させてるのに、ミイラズが初期アクモンから逃れられないのは皮肉でしかない。


ファンが求める音楽性だったり、フェスを中心とした身体性が重視された音楽シーンを引き受けた上でやりたいことをやろうとしてるのは分かる。分かるけど、カギカッコの付いた「邦ロック」という磁場にあまりにも寄り添い過ぎだと思う。洋楽を参照点にしつつも、”この国のポップス”として機能してる近年の東京インディー勢を見てると余計にそう感じてしまう。
そもそもが同時代の洋楽アクトと共振して登場したバンドなんだから、このまま同じ音楽性では物足りない。
アクモンもアーケイドファイアもダーティー・プロジェクターズもみんな変化してるじゃん。
今ならEDMをぶち込むぐらいはやって欲しかった。


「邦ロック」に媚を売らずに自分たちの強烈な世界観を啓蒙していくっていう道無き道を突き進みつつ、でもガラパゴスには決してならずに同時代の洋楽も貪欲に取り入れるセカオワの方がずっとカッコ良いような気がしてきた。まさかのセカオワ再発見…。
という訳で、畠山はセカオワに学ぶべき(何だこの結論)。



ラストアルバムvol.1

ラストアルバムvol.1

8.8
今年最高峰のアイドルポップアルバム。素晴らしい。
ANNA☆Sの派生ユニットで、カメラ=万年筆をプロデューサーに起用しつつ、楽曲提供に鈴木慶一(ムーンライダーズ)、直枝政広(カーネーション)、柴田聡子という布陣。これぞ楽曲派。
そして、この強力な布陣による楽曲に不安定なヴォーカルが乗っかる。これぞアイドルポップ。


M3”食欲Baby”は今年聴いたアイドルポップのベスト3には確実に入る。ソウル・ファンクを飲み込んだ腰をクネらせる名曲。ゲロッパ!
本作が最初で最後のつもりみたいだけど、これは継続して欲しい。
正直、アイドルシーンを全体的に追うモチベーションは確実に下がってきてるんだけど、こういうのが出てくるとやっぱ目が離せないなぁと思う。


アイドルは楽曲が全てではないけど、でも楽曲が”入口”であるのも事実。
だから、アイドルは堂々と楽曲派を目指せば良い。あのAKBだって、”RIVER”という楽曲一発で風向きを変えた訳だし、スパガや女子流が失速気味なのは楽曲が以前より落ちてるからだし、PASSPO☆がいつも微妙なのも楽曲の決定打に欠けるから。
楽曲はウソをつかない。そう、楽曲とは絶対的な真理なのです(新興宗教の匂い)。



8.0
最初に言っちゃうと、僕がこのバンドを評価するのは川谷のメロディーセンスのみ。
なんて書くと、プログレやジャズの影響は?メンバー全員の高い演奏技術は?とかツッコまれそうだけど、そこはこのバンドの必要条件であって、十分条件じゃないみたいな印象。あと、メンバーのキャラが立ってるのもあざとく感じるだけなのでスルー。
あえて引き合いに出せば、ゲスの極み乙女。モーモールルギャバンとの根本的な違いはそこにあるかと。


つーか、最近の邦ロックって、基本みんな演奏が上手くてプログレッシブなギターがよく鳴ってるじゃん。あれ何でなの?という疑問は置いといて、ゲスはメロディーだよ、メロディー。特にフックに入った瞬間にガラリと景色が変わるような即効性の強いメロディーが書けるのがゲスの強さ。
メロディーメイカーとしての川谷はASHのティム・ウィーラーの全盛期ぐらい冴え渡ってると最大級の賛辞を送っておく。


なんか「メジャーに行って保守的になった」とか否定的な声もチラホラ聞こえるけど、上述したようにゲスのプログレっぷりなんて大したことないと思ってるので、僕はこれで良いと思う。褒めてるのか貶してるのか自分でも分からくなってきた…。
そんな僕はたぶんindigo la Endを聴けば良いんだと思うけど、まだちゃんと聴いたことなくて。今度聴いてみます!


うん、こっちもイイね。



Behind The Scene(初回限定盤)(DVD付)

Behind The Scene(初回限定盤)(DVD付)

7.0
3年ぶりのアルバム。う〜ん、楽曲は粒ぞろいで悪くないんだけど、90年代オルタナをまんま引きずったような音楽性を2014年に突き付けられても個人的には厳しい…。僕は彼らと同世代なんで気持ちは分かる。確かに90年代は最高だよ。最高ですか?最高です!(By法の華三法行)って感じ。


何度か言ってるように海外では90年代がリバイバルのターンに入ってて、若いバンドが自由な解釈を加えて鳴らしてる。それと比べちゃうと、テナーはまんま過ぎるんだよなぁ。あと、アートスクールも同じく(もらい事故)。
そう考えると、発言力と存在感を大きくしてU2化しちゃったアジカン(というかゴッチ)ってクレバーだよなぁと思った次第。


今週気になった曲


詳細不明なUKのパワーポッパー。これは良い発見だった。
90年代にビッグ・ディールっていうパワーポップ系のレーベルがあって、そこからリリースされててもおかしくないような感じ。あるいは10年くらい前にThe Toriesってバンドがいたんだけど、それを思い出してウルウルしてしまった(極めて個人的な症状です)。

【資料映像】