今週の音楽まとめ(2014.10.27〜11.9)

今週聴いたアルバム

6.5
「家-ウチ-※アルバムが1万枚売れなかったら misonoはもうCDを発売できません。」というアレなタイトル通り、「1万枚売れなかったら引退」という公約でリリースされたアルバム(ただし、1万枚達成の期日は設定されていない)。
何かと話題になってるアルバムだけど、misonoファン歴3年の僕が冷静に評価してみる。


ここで訂正があります。先ほど”misonoファン歴3年”と書きましたが、正しくは”0年”でした。お詫び申し上げます。
なんかこれを「炎上商法だ!」と大マジメに怒ってる人の”クソリプ感”は野暮に思っちゃうし、逆に斜めから見て笑うサブカル的な態度も好きになれない。
マジメにクソリプするかシニカルに嘲笑するか、こんな世の中じゃPOISONだと思うのです。


なので、あくまで”下から目線”でこの初週1,218枚、オリコン初登場61位のアルバムを聴いてみた。
まず大半の楽曲をAKIRASTARが手がけてるのに注目したい。かつてはBuono!、近年ではももクロにも楽曲提供をしてる人だ。


【資料映像】

アイドルが”ロック”をコンセプトにしたり、ライヴでバンドの生演奏を入れるのは今では全く珍しくないけど、Buono!はそれをアイドル戦国時代が始まる前からやっていた。「早すぎた」の一言で片付けるにはあまりにも惜しいユニットだった(解散した訳じゃないけど)。



生歌、生演奏、トンガッた楽曲という点ではももクロ以前としてアイドリングにも触れないとフェアじゃないんだけど、その話はまた別の機会に。


正直、misonoの音楽性って全くイメージ無かったんだけど、今作を聴く限りではロック調の曲が多い。そして、上述したようにAKIRASTARが参加してる。言うまでもなく、僕は”misonoをBuono!に脳内変換”して聴いたが、1曲目からギブアップした…。


misonoが書く独特すぎる世界観の歌詞と確かな歌唱力に「AKIRASTARの楽曲が完全に飲み込まれる」状況になってる。仮想Buono!なんて考えた自分を恥じたい。100%misono汁の濃厚なアルバムになってる。
どれくらい濃厚かというと、沼袋にある「無鉄砲」というラーメン屋くらい濃厚。
90年代ロックとエイベックス流の歌謡ポップスとmisonoの肥大化した自意識が暴れ回るカオスアルバム。
好き嫌いは激しく分かれると思うけど、クオリティーは決して低くない。



メイクがゴー☆ジャスみたいだとツッコむ前に歌詞に耳を傾けてみて欲しい。
ネガティブな状況をどうやり過ごすか?という内容になってる。マイナスからのスタートという意味でmisonoは”こっち側”の人間だ。
『「明るく」「頑張って」と言わないで』とか『「ウジウジ」って”落ちよう”』というフレーズがあるように類型的な”頑張れソング”になることを回避しつつ、自分がある種のピエロになることでメッセージを投げかけてる。なんかそこが泣ける。
misonoをツッコんで、笑うのは簡単だ。でも、misonoのようにツッコまれ、笑われることを受け入れる生き方はとても難しい。
という訳で、misonoのことがちょっとだけ好きになりましたとさ。


Listen

Listen

9.0
リリースからだいぶ時間が経ってしまったけど、やっと聴いた。
今から5〜6年くらい前にUKでニューレイヴとかディスコパンクと呼ばれるバンドがぞろぞろ出てきたんだけど、僕はほとんどノレなかった。”歌とメロディー”よりもスタイルが重視されて、文脈(過去の音楽との繋がり)もさほど感じられない音楽は退屈でしかなかった(そう考えると、四つ打ちロックが流行ってる今の日本は同時のUKにちょっと似てる)。


そんな当時のUKでも信頼できた若手バンドがこのThe KooksとThe Viewだった。ビートルズやラーズに連なるギターロックを決して懐古趣味にならずリアリティを持って鳴らせる存在は本当に頼もしかった。以降、この2バンドはブレずに良作を作り続け、セールス的にもまずまずの成功を続けてる。


そんな Kooksが今回ガラリと音楽性を変えた。ヒップホップのプロデューサーを起用して、ブラックミュージックの要素を大胆に取り入れた。Kooksよ、お前もか。そんな言葉が頭をよぎった自分が情けない。これは間違いなく傑作だ。疑ってごめん。


どれだけ音楽性が変わろうが、”歌とメロディー”の良さは変わらなかった。そう、Kooksは”変えて良いものと、変えちゃいけないもの”が分かってた。
オアシスはもうとっくにいない。でも、Kooksがいる。その事実だけで僕は満足であります。




採点不可
偏差値が高すぎて自分には無理っす…。数曲聴いただけでも苦痛で、とてもアルバムを通して聴けなかった…。


さっぱり分からない…。


Hippies E.P.

Hippies E.P.

6.5
リリースされたのをスッカリ忘れてて、やっと聴いた。
このEPで現メンバーでの活動終了が発表されたけど、なんかいろいろと大変そうだなぁと。
ぶっちゃけて言えばドレスコーズというバンドが盛り上がってる感じが全然しない。
VIVA LA ROCKで集客に苦戦してたって話をネットで読んだけど、去年、自分が参加したCDJでは裏がサカナクションというのもあってガラガラだった。パフォーマンスは最高だったにも関わらず。


志磨は本作に寄せて「ダンスミュージックと真っ向から向き合うことは、音楽の歴史そのものと向き合うことです」と言ってる。確かに。でも、今の邦ロックはその歴史性からの解放としてフィジカルに向かってる訳で、この教養主義的なダンスミュージックに若い子たちが踊るだろうか?という気がしちゃう。


なんかネガティブなことばかり書いてるけど、今回の野心的な試み自体は決して悪くない。
僕が言いたいのはドレスコーズは「戦う場所が違うのではないか?」ということ。文脈のある音楽をやるなら、東京のインディーシーンの方が絶対に合ってると思う。


完全に余計なお世話だけど、例えばふくろうずもメジャーで価値観をシェアできるバンドはほとんどいないように見えちゃう。だったらインディーでなつやすみバンドとかAwesome City Clubとかと対バンして、点を線にしていく方が良くね?って話。
なんか話がそれ過ぎた気がするけど、とりあえずアルバムには期待してる!と強引にまとめてみる。


今週気になった曲


ヒップホップのまとめスレで知った札幌のクルー。とにかくクソガキ感がハンパない。リリックは下ネタ満載のどーしようもない感じだけど、よく聴くと「ヤンキー見たらすぐに逃走」とか実はヘタレなのがカワイイ。
生意気な若造を見ると応援したくなるので、この感じで突き進んで欲しい。ちなみにTHE★米騒動のドラムがメンバーとして参加してる。